産業廃棄物の最終責任は排出事業者が負う
世界では経済の発展に伴い、オゾン層の破壊や地球温暖化など様々な環境変化が生じています。日本でも1970年代の高度成長期の大量生産により飛躍的な経済成長を遂げましたが、同時に公害等も社会問題となりました。
それまで何の規制も無かった産業廃棄物の処理について、色々な法律や規定が定められ、産業廃棄物については排出事業者が責任を持って処理することとなりました。
しかし、実際は自ら処理できる事業者が少ないことから、産業廃棄物収集運搬業等の産廃関係事業に委託しているのが現状です。
それでも産業廃棄物についての最終責任者はあくまでも産業廃棄物を排出した事業ということには変わりはありません。そのため、産業廃棄物収集運搬業者が行った不法投棄についてはその産業廃棄物の収集運搬を委託した排出事業者にも責任が及ぶことがあります。
産業廃棄物収集運搬事業者の質が問われる時代
そのため、産業廃棄物を排出する事業者も適正な処理を行ってくれる産業廃棄物収集運搬業者に産業廃棄物の処理をお願いしたいと考えるのは当然のことです。

産業廃棄物収集運搬業者が不法投棄を行ったことにより、その産業廃棄物の処理を委託した排出事業者が公表されたり、刑罰等を受けたりしてしまえば、企業としては大打撃です。そのため、企業としても信頼できる産業廃棄物収集運搬業者を求めています。
産業廃棄物収集運搬業を営もうとしている方は、まず信頼してもらえるような企業を目指して運営することが必要となります。排出事業者が、「この業者なら不正を行わないで適正な処理をしてくれるな」と思ってくれるような存在になることを目指しましょう。
清潔感や挨拶等、基本的な事項を重要視する
初歩的なことかもしれませんが、従業員の清潔感や挨拶、言葉遣いなどに留意することは産業廃棄物収集運搬業に限らずどの職種についても必要となります。
特に産業廃棄物については、「清潔感」が強いインパクトを与えることでしょう。産業廃棄物を取り扱うということは、車両に汚れや破損などが生じることは当然ですが、それを放置してそのままにしておくことでイメージを悪化させてしまうこともあるので気を付けましょう。

また、従業員の服装等についても清潔感は重要です。統一されたユニフォームを採用したり、常に清潔感がある服装で作業するよう努めることは企業イメージの向上につながります。
産業廃棄物収集運搬業は、排出事業者の責任を一部負うことと同じ
産業廃棄物を収集・運搬するということは、排出事業者の責任を一部負担することと同じことだと考えた方が良いでしょう。
排出事業者も産業廃棄物の処理を委託する事業者の選定に力をいれています。昔のように価格重視であったものが、コンプライアンスについても重要視されるようになってきました。
そのため、産業廃棄物収集運搬業を営む者は、価格はもちろんのこと、品質も重視しなくてはならない時代となっています。
新規の受託先を手に入れるためには、価格、品質、安全性、環境への配慮、コンプライアンスなどのあらゆる要素で良質な事業者であるとアピールできるように努めましょう。