産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者は近隣との関係に注意しなければならない
産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者は、多くの場合、排出事業者(産業廃棄物の排出元の企業)から仕事をもらう形になるかと思います。そのため、排出事業者と契約を結ぶことが第一段階と言えます。
排出事業者と契約を結ぶためには、排出事業者から信頼されることが必要となります。排出事業者としても、排出元としての責任があるため、いいかげんな産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者と契約してしまうと、不法投棄等のリスクが高まると考えるからです。

今回は、経済産業省から出されている「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」から排出事業者向けの産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者選定のためのチェック項目を参考にすることにより、排出事業者に選ばれる産業廃棄物収集運搬業者になるための対策についてお伝えします。
近隣との関係は排出事業者の重要チェック項目となり得る
排出事業者が産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者を選定するにあたり、近隣との関係は重要項目となります。なぜならほとんどの排出事業者が、産業廃棄物処理業者や産業破棄遺物収集運搬業者を選定する際には実際にその業者の事業所を見に来るからです。

排出事業者が実際に目で見ることにより、その業者と契約するか否かを判断することになりますので、産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者は常日頃から近隣との関係を良好にしておく必要があるのです。
その産業廃棄物処理業者が近隣住民と良好な関係を築けているか
産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者は、近隣住民と良好な関係を築かなければなりません。
例えば、近隣住民から好印象を持たれているだけで、排出事業者が信頼してくれるポイントになり得るからです。
近隣住民から好まれているということは、そこに委託する業者にも好印象を持ってくれる可能性が高まります。逆に近隣住民から悪印象を持たれていたとしたら、そこに委託する業者も敵視されてしまう可能性が高まるでしょう。

実際に、近隣住民とトラブルを起こしている産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者は多くいます。排出事業者としてもそういった業者をパートナーにすることは考えにくいでしょう。そのため、近隣住民へは毎日の挨拶や声掛けなどのコミュニケーションをとっていくことが重要となります。
事業所からの騒音や異臭、振動などに注意する
排出事業者が産業廃棄物処理業者や産業廃棄物収集運搬業者を選定するにあたっては、その事業所から発生する騒音や異臭、振動などをチェックすることとされています。
騒音や異臭、振動などが近隣へ影響を及ぼしている場合、やはり近隣住民とのトラブルのリスクは高まります。近隣住民とトラブルを起こしてしまうと事業所の稼働停止や撤去などを求められかねません。そのため、排出事業者としてもその点は重要なチェック項目となるのです。
また、事業所の車両の積載状況も注意して見られます。著しく小さい車両であったり、排出事業者が予定している種類の産業廃棄物を積載する能力の無い車両を用いていることが発見されれば、当然契約に結び付くことはないでしょう。車両はしっかりと整備し、不良個所の無いようにしておきましょう。
経済産業省「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」が求める産業廃棄物処理業者の重要な情報源項目
経済産業省から出されている「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」では産業廃棄物処理業者の主なチェック項目として「現地確認」と言ったものがあります。

現地確認でのチェックするポイントとしては、「施設の操業状況、環境対策、職員のモラル」などの他、周辺住民との関係として、「周辺住民とのコミュニケーション、振動、騒音、悪臭の影響の有無」などが定められています。
企業としての法定書類の整備や適切な許認可情報はもちろんのこと、事業者の現場を見ることによる情報もかなりのウエイトを占めています。

同ガイドラインでは、委託を予定する産業廃棄物への「自治体への照会」や「廃棄物処理業者に関する調査を専門に請け負っている会社の調査代行サービスの活用」まで薦められていますので、どこから見られているかわからない怖い状況とも言えます。
産業廃棄物処理業や産業廃棄物収集運搬業を行う方は、常日頃から事業所周辺への影響に配慮し、近隣住民と良好な関係を保つことを重要視しましょう。