過去に起きた不法投棄事件とその結果生じた損害について【違法事業者の末路】

不法投棄された産業廃棄物の山 会社

過去に行われてきた多くの不法投棄により、度々法改正が行われ、産業廃棄物関連業者への規制や罰則が多くなってきました。令和となった現在でも不法投棄は少なからず行われています。不法投棄が見つかってしまうと、不法投棄を行った事業者はもちろん、その産業廃棄物の処理を依頼した排出事業者も何らかのお咎めがあります。

今回は、過去に行われてきた大きな不法投棄事件の事例を紹介しますので、これらの事件と顛末をよく頭に入れておき、絶対に不法投棄は行ってはならないという意識を会社全体にいきわたらせることが重要です。

行政にも大きな落ち度があった豊島事件

香川県小豆郡土庄町に属する豊島(てしま)では、1970年代にとある業者が産業廃棄物処理場を設置する計画がなされました。

豊島の住民たちはデモ行進などを行うなどし、産業廃棄物処理場の建設に強く反対しましたが、香川県が半ば強引に業者に許可を出してしまいました。

許可を受けた業者は適切な処理を行わないばかりか、産業廃棄物の不法な投棄を繰り返しました。しかし香川県は業者とつながり、不法投棄をやめさせないばかりか助長するような働きかけを行いました。

悪臭や騒音に加え、ばい煙などの影響により、豊島の子ども達をはじめとした住民に健康被害が現れましたが、不法投棄は長く続いてきました。そして1990年にようやく兵庫県警により業者が摘発されました。

最終処分場のクレーン

それを皮切りに、住民たちは業者の違法性の追求に加え、香川県の責任についても強く追及し始めました。県内の多くの場所や東京などにまで出向いてこの事件の広くアピールする運動を続けました。

そして2000年には知事が謝罪を行い、香川県の責任で原状回復を行うことが決まりました。

不法投棄された産業廃棄物の処理に大きな苦労をした

豊島事件で残された廃棄物と汚染土壌の総量は100万トン規模までになりました。それらを処理するため、15年以上の年月を要しました。

産業廃棄物の処理などに要した費用は560億円ほどと言われています。住民達も活動などに1億円程度の経費がかかったと言われ、一業者の起こした不法投棄が県や県民に大きな負担を与えることとなってしまいました。

不法投棄された産業廃棄物の山

大規模な許可量オーバーをした三重県四日市市事件

三重県四日市市にあった産業廃棄物の最終処分場では、業者が届出をしてある処分区域以外にも産業廃棄物の投棄を行っているとの住民の指摘がありました。

1993年の調査で、業者が許可量を38万立法メートルも上回っていたことが判明し、三重県から業者への撤去命令が下されましたが、1994年に業者が廃業し、処分場は閉鎖されてしまいました。

その後の三重県の調査では、不法投棄の総量は159万立方メートルにも及んでいることが判明し、当時の届出制による審査や罰則の甘さが大規模な不法投棄を許してしまった原因の一つとされています。

無許可業者による岐阜県岐阜市の不法投棄事件

岐阜県岐阜市の椿洞(つばきぼら)という地区で有害物質が多数検出されました。

原因は木くずや廃プラスチック類、がれき類などの建設系産業廃棄物の不法投棄によるものでした。不法投棄を行った業者は当然逮捕されましたが、産業廃棄物を排出した事業者も多額の撤去費用の負担を求められました。

結果、不法投棄された産業廃棄物の全量撤廃は行えず、有害物質が発生しない程度の産業廃棄物の種類や量となった時点で産業廃棄物撤廃事業は終了となりました。

1万2千もの排出事業者が関わっていたとされる青森岩手不法投棄事件

青森県田子町と岩手県二戸市の県境に所在する業者の私有地である27ヘクタールの原野に、長年産業廃棄物が不法投棄されていた事件です。

岩手県 環境生活部 廃棄物特別対策室HPより

業者は中間処理業者として、産業廃棄物から堆肥原料を生成して販売しているという表向きでしたが、実際は堆肥、焼却灰、汚泥の多くが、廃食品、廃プラスチック類、医療系廃棄物、廃油、廃有機溶剤などと混合された状態となっており、谷や掘った穴への不法投棄が繰り返されていました。

これらの産業廃棄物の9割が首都圏から運搬されたものとされており、多くの排出事業者が責任を問われ、それぞれの排出事業者が多くの負担金を支払うこととなりました。同時に業者に許可を出したのは都道府県であり、また法を整備する国の落ち度も指摘され、都道府県や国の責任も指摘されることとなりました。

一件の不法投棄事件では、関係各所の責任が一気に追及されてしまう

以上、主な不法投棄事件についてご紹介しましたが、これらの事件では実際に不法投棄を行った業者はもちろんのこと、その産業廃棄物自体を排出した事業者や、法整備を怠った国、業者に許可を出す権限のある都道府県などの責任も追及されています。

また、産業廃棄物収集運搬業者であっても不法投棄に至るまでのプロセスに確実に含まれるため、警察の捜査を受けることは確実と言えるでしょう。

走る産業廃棄物収集運搬車両

知らなかったでは済まされないこともありますので、産業廃棄物収集運搬業を行う事業者の方は、排出事業者との適正な契約や中間処理業者との関わり方などに注意する必要があります。

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